「ゲゲゲの鬼太郎」には、ベースとなった作品があるそうです。
紙芝居『墓場奇太郎』(ハカバキタロー)という作品が、鬼太郎に影響を与えたとされています。『墓場奇太郎』とは、どんな作品でしょうか?
鬼太郎にはモデルが居たのでしょうか?
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ハカバキタローとは?鬼太郎の名の原点はここにあった
「ゲゲゲの鬼太郎」は、旧題を『墓場の鬼太郎』と言います。
鬼太郎は、病死した母親の遺体から生まれ出ました。
母親はすでに埋葬されており、鬼太郎は、自力で墓穴から這い出しています。
鬼太郎の母親を埋葬した水木は、墓穴から這い出した鬼太郎を「化け物」だと思い込み、放り投げています。
「墓場から生まれた少年」というモチーフを持つのが、紙芝居『墓場奇太郎』です。
『墓場奇太郎』は、1933年から1935年頃の作品です。
親の因果により墓場から生まれた醜い少年が、親の仇に復讐していくという内容です。
原作者は伊藤正美ですが、物語が伊藤正美のオリジナルかどうかは不明です。
「子育て幽霊」などの古典的な怪談や昔話に拠るところが大きいとされています。
「ゲゲゲの鬼太郎」の原作者・水木しげるは、鬼太郎を創作するにあたり、『墓場奇太郎』の主人公の名を借りる事を伊藤正美に断り、その了承を得ています。
鬼太郎の出自がほぼ現在のものとなるのは貸本版から
水木しげるは、鬼太郎を最初は紙芝居に描いています。1954年から始まる数作の紙芝居です。
『蛇人(じゃじん)』『空手鬼太郎』『ガロア』『幽霊の手』などです。
これらの作品で「墓場鬼太郎」という漢字表記の名前が使われています。
ただし、紙芝居に共通しているのは名前だけで、描かれている少年は作品ごとに違います。
『蛇人』の鬼太郎は、蛇の腹から生まれ、人間にいじめられて、成長したのちに復讐するという内容です。
『空手鬼太郎』の鬼太郎は、空手使いに弟子入りし、修行したのち、師匠を打ち破ります。
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現在の鬼太郎に近い設定になるのは、貸本版からです。
1960年に水木しげるは、貸本に鬼太郎を登場させています。
ここでの鬼太郎は、幽霊族の生き残りで、墓に埋葬された母親の遺体から生まれています。
鬼太郎のモデルは水木しげるの甥だった
ゲゲゲの鬼太郎、本名「墓場鬼太郎」は、少年の外見をしています。
左目を隠す特徴的な髪型。
古めかしい学童服、縞模様のチャンチャンコを着ています。下駄の鼻緒は赤です。
少年の姿にはモデルがあったとされています。
水木しげるの甥で、3~5歳の姿がモデルになっていると言われています。
髪の毛の色は、原作では銀色に近い灰色です。
2007年公開の実写版映画では、銀髪にして、原作に近い姿にしました。
ただし、水木しげるは、映画が完成して鬼太郎を演じたウエンツ瑛士と対面した際、「格好良過ぎるな、違うな」と語っています。
また、同じ理由でスタッフにも苦言を呈したと言います。
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