「マッドマックス怒りのデス・ロード」は、エネルギッシュなアクションと重厚なストーリーで高い評価を受けた映画です。
その原作は、世界各地の英雄神話を研究したジョゼフ・キャンベルによる著書『千の顔を持つ英雄』です。
「マッドマックス怒りのデス・ロード」の原作はどんな話なのでしょうか?
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『マッドマックス怒りのデス・ロード』の原作は神話の基本構造を論じた著書
「マッドマックス怒りのデスロード」の原作とされる『千の顔を持つ英雄』は、1949年に刊行されました。
ジョゼフ・キャンベルが神話の基本構造を論じた著書です。
『千の顔を持つ英雄』は、世界の共通的神話学を中心に論じたものです。
キャンベルは、世界各地の神話に登場する英雄は旅に出ていると指摘しました。
英雄の旅は、日常とは別次元の超自然的な領域へ出かけるものです。
旅に出た英雄はイニシエーション(通過儀礼)を経ます。
超人的な力に遭遇し、課題を与えられます。
英雄は最終的に決定的な勝利を収めます。
英雄は、自分に従う者たちに恩恵を授ける力を得て、故郷へ帰ります。
『千の顔を持つ英雄』は「英雄」を初めて規定した著書
「マッドマックス怒りのデス・ロード」の原作とされる『千の顔を持つ英雄』は、日本語訳も出版されています。
出版されたのは2015年、ハヤカワ・ノンフィクション文庫に収められています。
翻訳を担当したのは倉田真木氏です。
『千の顔を持つ英雄』は、神話学で初めて「英雄」を規定したことで知られています。
「英雄」とは、「生誕の再現」が繰り返される人間です。
「生誕の再現」は、カトドス(上り道)とアノドス(下り道)の交差の上に成立します。
主人公は、最初に冒険への召命を受けます。
しかし、いったんは神から逃走しようとし、超自然的なものの支援を受けて召命を受ける決意をします。
その後、主人公は魔の領域に突入します。
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『千の顔を持つ英雄』は「英雄」のたどる道を記した著書
魔の領域に突入した主人公は、自己消滅の危機にさらされます。
その後、主人公には次々と試練が襲いかかります。
この過程が「英雄」となるべく転身の門をくぐるプロセスです。
その最中に主人公が女神と遭遇することも少なくありません。
女神によって回復を得た主人公は、誘惑者のもたらす快楽を断れませんが、そのうちに対立者との和解に至ります。
和解を通して、主人公はそれまでの試練の意味を悟るようになります。
主人公は故郷への帰還に向かいますが、いったんは旅立ちを拒みます。
夢から覚めたくないという思いからです。
しかし、超常力が加わって主人公は帰還に至ります。
英雄となった主人公が故郷に戻ると、そこは新しい王国となっており、祭りが行われます。
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